旅行記
〜セブ島最前線




 思えば夏休みは遠かったなあ・・・いつも集合時間に余裕のない首都高を今日は余裕で走る。
成田に向けて走る心はバンタヤン!なんとなく気持ちは晴れ晴れ、時速70kmで走る湾岸線。
何台も追い越されても心踊るバンタヤン!でも助手席の家内は今日も寝ている。

空港にほど近いいつもの駐車場に出発2時間半前に着いた。
思ったほど余裕でもない普通の時間だった。夏休みのせいか子供連れも多く、駐車場から賑わっていた。
PAL(フィリピン航空)のカウンターへ。バックは見事に19.5kg。(25kgまで大丈夫とか)
いつも成田のイミグレーションルームは狭いなあと思っているが、この時期はまさに混雑でホントに狭い。
イミグレのお兄さんは今日も淡々と出国手続きの作業、昔と比べ電子化が進み、ストレスは感じない。


さすがに混雑している夏休み

成田→セブ直行便の使用機材はA-340

定刻14:30発セブ行き直行便は、今日もオンタイムでボーディングブリッジを離れる。
いつものセブなのに今回は気持ちから違う。楽しみにしていたバンタヤンだから。思えばゴトSUNのHPに
お世話になってからバンタヤンへ行きの実現までは遠かったなあ・・と思いながらゴトSUNの足跡をたどる事が
とても楽しみだ。
(ペソ表示はすべて2.2倍=日本円で計算しております)






毎日、人の体温も感じる満員電車、日々追われてきた仕事のせいか機内食を食べた後は寝ちゃった。
映画も日本では公開前のミッションインポッシブルUだというのに・・もったいな・
成田を飛び立ってまもなくセブ到着時間を告げられる。コンピューター時代とはいえ、3,400km先への
到着時間を計算するはすごいと思う。
熟睡していたせいか、到着時間が早かった気がした。
予定時間どおりにA320は波打つ滑走路、セブ マクタン空港に着陸。
いつもエンジンの脇の座席で、着陸時の部品が外れそうな羽とエンジンの逆噴射が楽しみ・・

日本人が多いせい?到着が待ちきれなくて?機体が止まりエンジン音が下がるとベルト着用サインが消える前に
おかまいなしに席を立って準備をする人が多い。日本人キャビンアテンダントのアナウンスは薄れる。

ちょっと上り坂気味のボーディングブリッジを進み、ターミナルへ。ああ、、いつものセブの匂いだあ、
セブ マクタン空港は独特の匂いで、懐かしささえ感じさせてくれる。すでにここからノスタルジック。里帰りの懐かしさ・・

思ったより早く荷物が出てきて税関申告書をおじさんに渡す。適当なサインをしている。
今回はパッケージツアーではないので、大勢の現地旅行会社の出迎えをかきわけるように進んだ。メーターTAXIを
拾うため、guwapoさんご指南のとおり反対側へ道路を渡る。
この辺からやたらと「タクシー?」と声をかけてくる。
恐らく私の顔はしかめっ面だったと思うのに笑顔で声をかけてくる。お〜相変わらずセブ人の心はおおらか?
えらいなあ〜日本人は嫌な顔をしている人には近づかないのに・・

空港の出発階に登っていくと、タクシーのドライバーと思うデブッチョのお兄さんが「どこ行く?」と後ろから
追いかけてきた。振り払ったはずなのに・・やはりツーリストらしからぬ方向に歩いていく私を見破ったか?
不審に思ったか?
「ニッケイガーデンホテルに行く」と答えてしまった。P300でOK!と返ってきた。まさか、高い!
ドライバーなの?と聞くと、彼は「おじさんがドライバーだ」という。
私にはとんちんかんである。

マンダウエならP150で行こう!と決めていた。彼は渋々のポーズをとってタクシー乗り場へバックを
ガラガラ運んでくれた。彼は待機していたドライバーとビサヤ語で会話を交わし、OKEY!と調子よく
車のドアを閉めた。ああ・・彼はただのタクシーの客引きだ。チップは100円欲しいと。がくっ・

ドライバーと私達はお互いに心の中に不安があったのか、無言。。20分ほどだろうか?
目指すニッケイガーデンホテルに到着。バックを降ろしP150を渡した。彼がどう出るか不安だった。
彼はメーターを指差しこれを払えという。そりゃそうだと思ったのだが、空港の客引きお兄さんとの
約束はP150だった。 「約束はP150!空港に戻って彼に確認して!」と伝えた。たぶん私の顔は
笑顔だったと思う。彼には申し訳なかったのだが、メーターはP180を越えていた。






荷物を引きずってフロントへ。部屋は安いスタンダードでいいやと決めていた。
若いお兄さんが対応してくれた。「ご予約は?」「してません」彼が差し出した料金表を見ると、目指すP880の
部屋がない!彼の顔を見上げると、途端に印刷された料金表の右側にスラスラと書き直しはじめた。
あれ〜??私の目指す安いスタンダードはP1,110に書き換えられ、値切る隙もないほど。
これでどうだ!と言わんばかりに差し出される。あっちゃ〜ここも原油高の影響?値切るテンションも上がらず、
仕方がなく払った。(2007年2月現在も同額)


ニッケイガーデンホテル入り口

スタンダードルーム(P1,110)朝食別

このホテルは敷地が縦長で、真ん中が駐車場。ガーデンはどこ?両サイドに平屋で60部屋も並んでいる。
セブフリークのみなさんの御用達ホテルであるが、あとでビジネスホテルだとわかった。
ルームキーを受け取り、初日から目指せ1泊P1,000旅行の夢は崩れた。ガクッ・
部屋はずっと奥から二番目。スタンダードルームは遠い。
部屋に入るとすでにエアコンが効いていて涼しい。テレビもあって早速NHK−BSで日本の今日を確認。
大きな事件もなく安心日本だ。この先、5日間はテレビを見ることができなかった。

お腹が空いたので、外へ出ることに決めた。ゲートの前は陸橋で右に出てみると、マッサージの文字。
疲れているからなあ・・CLOSEは20:00だった。時計は19:30だったので諦めた。明日は10:00から?
来れないよ。でも肩が痛い。

ホテルの近辺は一見賑やかそうだが、トウロトウロ(大衆食堂)が一軒だけで、鍋の底にスープのような
残りしかなくライスも完売。腹へっちゃったな〜と思い、走ってきたジプニーに飛び乗った。通りを走れば
トロトロは見つかるだろうと。
まっすぐ行くと思ったジプニーは突然左折、街灯のない通りへ入っていった。ややや、まずい?
間もなく抜けた通りにトロトロ発見!手すりにコインを鳴らし、P4をドライバーに渡すが文句を言われなかった。
そこは数軒のトロトロが並んでいて、並んでいる鍋の蓋を開けたが、豚足?汁に隠れたなんだか
よくわかんない料理。一軒だけ晩飯になりそうなおかずがあったので、そこにした。でもライスがないとお姉さん。
あらら。仕方がなく奥のトロトロでポソ(ちまき風ごはん)を4個(P8)を買ってきた。
店に屋根はあるが壁はフルオープン。しかもカラオケがんがんのトロトロ。客のお兄さんたちの外れる音程の
歌をでかいボリュームで三曲も聴かされた。歌唱指導でもしたくなるくらい外れる。
しめて、おかず二品でP35。豚肉串焼きがP7、ポソを足してP50の晩御飯でお腹いっぱい。
この辺りは翌日気が付いたのだが、ノースバスターミナルだった。

帰りはトライ シカッドのおじさんにホテルの名前を告げて乗せてもらった。乗るときはP5というのに
降りるときはP10ときた。二人分かあと思いながらも旅の安全のお賽銭と思って払った。
気が付くとホテルの右側に二軒のトロトロがあった。なーんだ、ここはいくつもの鍋が並んでいた。
次回、挑戦だ。
寝ようとしたが、近所のどこかでカラオケの騒音、低音がお腹に響く。恐らくこのホテルの宿泊客全員が
寝不足の夜だったと思う。2時半にも目が覚めたが音が鳴り止まなかった。日本じゃありえないや。






気合とは裏腹に寝坊。初日から寝坊?思えば夜中の2時半に時間を確認しようとして、目覚まし時計の
ボタンを押してしまったらしい。ああ、11:00の船に間に合わない!WAO〜
6時に起きるはずが、9時だったのだ。開き直って優雅にホテルの朝食(P105)をいただくことに。
レストランは女性4人。男性一人のフロア係り。人件費が心配になっちゃう。客は私達だけ。遅いだけ?

フロントマンにノースバスターミナルまで何を利用すればいいか尋ねた。タクシーでP40らしい。
ハグナヤまでのバスはP70のはずだ。タクシーは機嫌のよさそうなドライバーだった。
ハバーナイスデーとP40を払った。

タクシーから荷物を降ろすや否や、はちまきをしたポーターのおじさんが何やらまた機嫌よく、何処へ行く?
と聞かれたのでハグナヤと答えると、ここにバスが来るからと荷物を運んでくれた。ターミナルは昨夜とは違い
とても活気があった。
食事もできてお土産のオタップなどいっぱい売っている。出発前のバスの中にも物売りが売り込みに来た。
思えばセブで乗り合いバスに乗るのは初めてだった。
ゴトSUNのいう田舎道が楽しみだ。


活気ある朝のノースバスターミナル

セレスラインのバスは日本ブランド(カルメンにて)

ポーターのおじさんは当たり前のようにエアコンバスの乗り場の前で待っていてくれた。
間もなくハグナヤ行きのエアコンバスが入ってきた。随分デラックスな観光バスだ。おお、日本ブランドだ。
ポーターのおじさんは床下の荷物入れにバス会社の人かと思うくらい淡々と荷物を積んでくれた。
気持ちよくさらっとP20を受け取ってくれた。

バスは定刻が何時かわからなかったが、バスターミナルを発車。これから三時間かあと思いながら
マンダウエーの街中を走る。修学旅行以来だろうか?一番後ろの広い座席を陣取った。これが間違い。
バスは市内を抜け、しばらく街中を走る。決してバスだからと優先ではない。もっぱらトライシクル、
ジプニーのスピードに合わせるため、ゆっくりと走る。ダナオの街まではこの調子だった。
ダナオの街を抜けるとスピードが増した。これがまた結構なスピードで揺れる揺れる。一番後ろの座席は
乗り心地が悪く、はねるし振られるし寝られたもんじゃない。揺れながらも車掌のお兄さんがチケットを切りにきた。
ハグナヤまで・・P100/1人を渡すがおつりをくれない。ハグナヤまでP85という。これも事前調査より値上げ。
間もなく日本企業のミツミの工場が見えた。始業前なのか交代勤務時間なのか、工場の前の道路沿いに
並んでいるトロトロで大勢の従業員が朝食をとっていた。

右側はそうきれいでもない海。左は民家や畑が目立つようになってきた。
1時間15分ほどでバスはカルメンという町のドライブインで休憩タイム。出発時間も告げられていない。いや、
ビサヤ語なので聞き取れなかった。
バスのエアコンが強くて車中ではウインドブレーカを着ていた。バスを降りたら灼熱の太陽。
冷えた体に痛いくらいの紫外線が気持ちよかった。
運転手も車掌も食堂で昼食にしては早すぎる時間に食事をしている。20分くらいの休憩時間で再び
田舎道を走り出した。間もなく右に見えていた海も消え山道に入った。左右にジャングルが広がる。
ウトウトして窓にもたれかかるが、ゴッツンゴッツンと頭がぶつかり、寝られたものではない。
バスの性能というよりは、舗装されていても平らではない道路に問題がありそうだ。

出発から三時間が越えたとこで街に入ってきた。港町だ!やっと着いた!ハグナヤだあ〜
ところが誰も降りる準備をしようとしない。あれれ?港の建物にBOGOと書いてあった。なんだ、まだまだ?
バスターミナルで客待ちのようである。やっと車掌がP15のおつりをもってきた。すごい記憶力。
それから左右に草原のような景色の中を走り、やっとハグナヤ港らしき処に着くや否や、ポーターの人たちが、
セリのように手を上げ我々乗客に向かって叫んでいるので到着がわかったほどだ。
15人くらいだとおもう。バスを降りると荷物室の扉を開けて手際よく降ろしてくれる。
荷物を争いもなく次々にかついで持ち主をさがす。私のバックはトニーという青年が笑顔でかついでくれた。
最近のバックはキャスターが付いているので頼まなくてもいいのだが、つい彼らの生活を考えてしまった。
トニーは笑顔でバンタヤン行きのチケット売り場まで案内してくれ、ターミナルフィーはここだと全く迷う暇などなく
乗客の待合室まで案内してくれた。
トニーはバンタヤンの海はきれいだとか説明してくれ、いつ戻るのかなど話しかけてきて私のそばから離れなかった。
40分くらいたった頃、船が入ってきた。
ポターたちはサンタフェからきた船の接岸寸前に船に飛び乗り、乗客の荷物に群がっていた。

・ハグナヤ→サンタフェ P134.4(ISLAND SHIPPING)
・ターミナルフィー P5
・ポーター P20/1個


サンタフェまで1時間のアイランドシッピング社の船

待合室横の食堂で一服

トニーは下船客の荷物を運び、すばやく戻ってきた。つまり、下船客と乗船客の荷物を一気にさばくわけだ。
すごいなあ。彼は責任を持って運んでくれてハグナヤに戻る時は電話してくれてとメモをくれた。
P40を渡したが、なぜか彼に笑顔がなかった。






船はさほど大きくはないが、うっすらと見えるバンタヤン島へ向けて静かに動き出し波をけって走った。
1時間くらいだろうか、バンタヤン港へ着いた。船着場なのにとてもきれいな海だった。
右側のビーチにはきれいなリゾートホテルが見えた。
ついに到着、ゴトSUNの愛するバンタヤン島。
ここのポーターもすごい。ここも接岸寸前に飛び乗ってくる。生活観が見えた気がする。

参考にしたHPで読んだ少年たちが見えない。彼らに出会うため宿の予約はしてないのだ。
ポーターが船から荷物を運んでくれた。ターミナルのそばに近づくと、走って来ました少年たち。
それはそれはヒーロー気分です。ラミネートされたリゾートホテルのパンフで売込みに囲まれた。
ここはきれいだとか朝食付だとか必死で説明してくれるが英語とビサヤ語チャンポン。
「ちょっと待ってよ!俺はプジョンビーチリゾートに行きたいの!」
5人くらいの少年の中から優しそうな青年がブジョンビーチのパンフを差し出してきた。
「よし行こう!」 彼は別な少年のトライ シカッドに荷物を載せ、もう一台に乗るように言われた。
結局、三人のお兄さんたちに連れてってもらうことになった。

港から10分くらい走ったろうか、学校のある通りを走りブジョンビーチリゾートに着いた。
港から案内してくれた青年はジェリーといい、とても優しい顔をしている。彼に安くしてね!と伝えると、オーナーに
交渉するよと言ってくれた。ブジョンビーチは広い庭に16棟のコテージが適当な間隔で点在している。
先にビーチフロントのお目当てのコテージに行ってみたが、とてもシンプルな部屋だった。ドアを開けると海だ。
ビーチ沿いはP300高いが5泊するのでガーデンコテージと同じにしてよとオーナーに交渉してもらった。
以外にもあっさりと実現。気持ちよかったので、彼をちょっと遅いランチに誘った。
彼はリゾートのスタッフではなく、専属の客引きアルバイトらしい。本業はよくわからなかったが、お客を連れて
くると満足とはいえないが、チップを貰えるらしい。

荷物をといて着替えをし、散歩に出かけた。
リゾートの門を出ると、ここまで乗せてきてくれた少年が待っていた。料金を渡すのを忘れていた。
ごめんごめん!とP20を渡すが、不満そうな顔だった。きっと、旅行者から料金を受け取る時には渋い
顔をするのが作戦?かと思う。まったく相場がわからない。
歩きたかったので、トライシカッドは断った。


ブジョンビーチリゾート

ビーチフロントのコテージ

きれいではないが、舗装された道を歩く。右に高校があり、警察署もあった。近いので、安心だった。
右に少し商店があったが、サンタフェのメインストリートに抜けると商店はなく、戻ってきた。
これは田舎の島だ。いくつかの商店では飲み物やスナックや雑貨が売っていた。サリサリのような囲いはなく、
オープンなお店がいくつか並んでいた。物売りで寄ってくる人もなく治安がよさそうなのどかな通りだった。
左の先にはレストランが点在し、雰囲気はよさそうだ。


サンタフェの商店街

何度か通ったコーヒーも飲めるパン屋さん

ゴトSUNに、バンタヤンで困った事があったら尋ねるようにと紹介されたココイさんのレストランを探した。
彼はレストランのマネージャーで、突然の訪問にも丁寧に対応してくれた。
ゴトSUNのことを話すと彼は感激してくれ、見知らぬ訪問者にゴトSUNとバコロド(ネグロス島)へ行ったことなど
懐かしく話してくれた。
でも、、、私はゴトSUNにお会いしたことがない。こんな異国の遠い島でゴトSUNの人柄を知る事ができた。
とても不思議な思いがした。

よし!ここで夕食!と思ったが、高そうだったのでBBQスタンドでチキンとライス(P44)で済ませた。ココイさん、
ごめんなさい。


パン屋さんの左脇のBBQスタンド

やっぱり旨い!

宿のコテージには狭いがテラスがあって、ベンチと向かい合わせのテーブルがあった。少し吹いてくる潮風が
気持ちいい。満潮時には波打ち際まで30歩あまりだった。台風なら流される距離だ。
部屋はテレビもなく、波の音が聞こえるだけ。
なんにもしない贅沢を味わうのが目的だが、余りに何もすることがないので、普段は読まない本を読んで
眠くなるのを待った。






ずうずうしいもので、こんなところで起きたら10:00だった。
朝食前にと思ってランニングシューズに短パン、普段はしないジョギングをしてみようと部屋をでた。
外はそんなに暑くなく、宿泊客はそれぞれビーチにでていた。
隣りのコテージは乳児をもつイタリア人の夫婦だった。軽く挨拶。


ブジョンビーチとコタビーチは向かい合いで建つ

真ん中がタイ式マッサージ店

サンタフェのメインストリートを曲がると、トロトロが二軒あった。なんだよかった。わがトロトロ。
軽快に?とは程遠いが小走りに走ると、日本人らしいおじさんが店の前に立っていた。
「こんにちは、日本人ですよね!」と声を掛けてみた。「よくわかりましたね〜」とご主人。
おじさんはタイマッサージ店のオーナーで、日本では病院を経営していたらしい。つまり、セレブさんである。
セブにも自宅があって、ここバンタヤン島にも別宅があるそうだ。今はフィリピン人の若い奥さんと子どもたち、
月に何度か行き来しているという。いろいろ事情があるにしても羨ましいリタイアさんだ。
長々いろいろと話し込んでしまったが、P150/1Hのマッサージの魅力が気になった。
夕方また来まーすと日差しが強くなったので、ホテルへ戻った。

ぼけーっと海を眺めたり目を閉じたり時間を過ごした。
なんとも私には贅沢な時間だ。日に一度の会社からの連絡がなければもっといいかも。電話の向こうから場違いで
現実的な仕事の話、こっちはビーチを前にして話す内容じゃないだろうとギャップを感じる。
国際電話とは思えないくらい声はクリアーに聞こえる。

朝食兼ランチは散歩で見つけたメロディーというトロトロで済ませた。ここは旨い!
ミンチを煮たもの、焼きそば、なすのてんぷら、ライス、ペプシ1LでP80で食べすぎ・・


大衆食堂メロディーズ あら?レストラン?

焼き魚もいけます

昼寝をしながらビーチですごしていると、夕方に。
夕食前にビーチを散歩した。隣りのコタビーチはコテージがしっかりしていて、デッキには大きな椅子が二客、
テーブルもしかっりしている。
プライベートビーチの幅はブジョンビーチと同じくらいだが、ビーチに張り出したコテージは趣がある。
ユニークビーチリゾートも行ってみた。ビーチから見た敷地幅はないが、二階建てで庭にニホンザルの
ような猿が二匹、忙しそうに遊んでいた。

暗くなってから約束のマッサージに出かけた。
店内は小奇麗でカーテンで仕切られており、マッサージ師の若い女性はセブで訓練を受けてきたそうだ。
タイ式なのでマッサージを始める前に合掌し、挨拶をしてくれた。
途中で意識不明になり一時間はあっという間だった。これでP150は安いなあと思い、P50のチップで
しめてP200。念願のマッサージに満足、二日間通った。

また明日〜と帰り道のメロディーでゴージャス?な晩飯。
お店は何組かのお客さんで盛況だった。
後方で日本語を話しているカップルがいた。「これは旨いね!」「ん・・これおいしい」と、男性はどう見ても欧米人、
女性は日本人だ。振り返って見直しても日本語の発音が日本人だ。思わず声を掛け、彼はドイツ人で
オーストラリアで育ち、日本へ語学留学し5年、今は大阪の大手企業の総務の国際部に勤務しているという
20歳代の青年。
「旨い」と「おいしい」の使い分けをするくらい日本語が堪能だ。しかも発音は騙されるくらい上手い。

昼ごろマラパスクワ島から船をチャーターし、4時間かかってバンタヤン島のサンタフェまで来たという。
船はとんぼ返りしても夜8時ころ戻る事になる。夜道?夜の海は危険だろうなあと思った。
彼は背が高く、なかなかのハンサム。普通に日本語で会話ができる欧米人は初めてだった。
もしよかったらと、明日予約してあるバージン島へのアイランドホッピングに誘った。
ホテルは偶然にも同じブジョンビーチだった。






私達としては珍しく、朝食はリゾートのレストランでアメリカンブレックファースト(P160)にした。
間もなく船の手配を頼んでおいたジェリー君が来て、ランチの食材の買出しに市場に行った。
うわさ通り瓶のサンミゲルはP20、チキン、魚、いか、ポソを買い込み、全部ジェリー君が運んでくれた。

船はリゾート所有の大きくはない6人乗りくらいだろうか、出航のころ彼らを呼んで乗船。
見知らぬ少年となぜかトライシカッドの少年が同行、なぜかジェリーは同行しなかった。
少年は紐をエンジンにかけて何度も引くがエンジンがかからない。心配になるくらいかからない。
5分くらいは回し続けたろうか、船は漂流状態、少年の額には汗が吹き出る。
やっとド・ド・ド・ド・ドドドドドド・・・・とエンジンがかかった。ふ〜。
エンジン音がうるさく、会話も耳元でやっとできるくらいの騒音だった。
途中、サンタフェ港をすぎたところで急にエンジンストップ!あ〜また漂流だあ。大丈夫!?
青年はまた汗を流す事になった。

バージンアイランドはシュガービーチから一時間はかかった。
小さい船だったので、エンジンも小さい。でもガンバッテ走ってくれた。
遠くに小さくてもきれいな島が見えてきた。
上陸すると、いきなりこの島売りますの看板。思わずカオハガン島の崎山さんを思い出し夢を見た。
少年に島の値段を聞くと、1億ペソだという。すっかり夢は覚めた。
住居は一軒、生計は入島料だけ?よくわからないがP100/一人は十分な収入だと思う。
欧米人と韓国人の団体がきていたが、騒々しさはなかった。
ランチは少年たちが手際よくバーベキュースタンドで用意してくれた。


ガンバッテ走ってくれた小型バンカーボート

ビーチサイドのガーデン

とにかく海がきれいで島の左側はサンゴ礁が多く、シュノーケリングが楽しめる。
芝が敷き詰めてあるガーデンにヤシの木の間にハンモックが張ってあり、リラックスできそうだ。
私たちは屋根のあるコテージでバーベキューをいただき、ビーチに寝転んで痛いほどの太陽を浴びた。
ドイツ人の彼は会社の事、上司のこと、両親のことなどプライベートなことを何でも話してくれた。
特に英文の書類を日本人の上司が添削するという話が笑えた。すごい上司だと彼は言う。






トライ シカッドの少年たちがあまりに勧めるので、お祭りに行く事にした。
リゾートから15分も走ったろうか、ドンドコドンドコとディスコサウンドだ。囲いの中は有料らしく、数人が踊っていた。
周囲は出店が並び、フィリピン版カジノのようだ。コインを投げて升の中に入ればお菓子かコインが数倍になって
戻ってくるという簡単でも難しいゲームやルーレットのような表示版にコインを賭けて、オーナーがトランプのカードを
引いて賭けてある絵と合うと決まった倍率で支払われるゲームだ。客は殆どが子供。みんなギャンブラーに見える。
掛け金はセンタボコインが主流だ。私もトライしてみたが、見た目ほど簡単ではない。


この升の中にセンタボコインを投げ入れるゲーム

ギャンブラーにしか見えなかった元気な子供たち

帰り道は真っ暗な道を月の明かりだけでトライシカッドがしばらく走る。
生い茂るヤシの木と月明かりの光のコントラストがゾクっとするくらい幻想的だった。






翌朝、ドイツ人の彼のお薦めでバナナパンケーキを朝食に挑戦。
量も多くてお腹がいっぱいになった。
レストランの中を吹き抜けるさわやかな風が涼しい。

しばらくするとドイツ人の彼がチェックアウトのため、彼女のスーツケースを引きずってフロントに来た。
わずか二日の付き合いだったが、身の上話も聞かせてくれたし名残惜しかった。
彼らは14:00のマニラ行きの飛行機に乗るとのことで、急いで写真をパチリ!載せられないのが残念である。
門のところまで見送り、御用達のトライシカッドが見えなくなるまで手を振った。

島内観光でもしようと相談し、リゾートのバイクを貸してもらえることになった。(P350/day)
バイクはホンダの80cc、ヘルメットもなし、おまけに私は免許もない。大丈夫!? 
そういえば去年のシキホール島も免許なしで乗ったっけ!
原付っぽいがセミオートドライブでギアの切り替えが必要だった。

ジリジリと太陽の熱で暑かったけど、走り出すと気持ちがいい。バンタヤン町を目指す事にした。
以外にスピードはでるが、ゆっくりと景色を楽しみながら走った。後ろの家内は日焼けが嫌だと上半身水着姿。
道行く人たちの視線を浴びないわけがない。まあいっか!二度と会わない人たちだからと、でも二度と来られない
バンタヤンにして欲しくなかった。

しばらく走ると右にバンタヤン空港の標識だ。細い道を入ってみると滑走路!?なるものは草原。
アスファルトの滑走路ではないようだ。定期便はないはずなので、いつ飛んでくるか判らないチャーター便の
空港だ。とりあえずターミナルらしきものも見えた。
10数キロ走ったところでバンタヤンの町に近づいてきたらしく、商店が並んでいる。
ネグロス島からの玄関口でいくつもの船が見えた。周りは多くの商店がひしめき合っていて、大きな市場には
果物や鮮魚類もたくさん売られていてとても活気がある。ここがバンタヤン島で一番大きな町のようだ。
町の中心の公園わきには荘厳な教会が建つ。しばし見とれる。

街を後にして北上してみたが民家も少なく、周りは美味しそうに見えないとうもろこし畑。
おそらくこの辺は観光客も来ない田舎の一本道。海にでてみたが、とても静かだった。






 翌朝はいよいよセブへ向かう日。レストランへ行ったら、「土曜日は朝食の営業はしません」と張り紙が。
一人だけいた店番の女性に尋ねると、土曜日は教会へ行く日なので営業しないとのこと。お国柄?
さすがにスタッフが教会へ行ってしまったのでは仕方がないや。でも、この子はなぜいるんだろう?
いつものパン屋さんで朝食をとった。

お陰さまでなにもしない?で贅沢にすごしたブジョンビーチをあとにした。
港までのトライシカットの正規料金を聞いたら、一台P24だという。これまた旅行者料金か?
一台にバックを積んでもう一台に乗った。

港では10:30の船に間に合いそうだった。一人P135払おうとすると、P85でいいという。あらら?
いきなりプロモ料金だ。しかもハグナヤまで30分だという。倍のスピードだ。とにかく早い船だった。
ゴトSUN、バンタヤン島は私にぴったりの島でした。ドップリとノスタルジーに浸りました。
・セブ トライデント ナビゲーション社(正規料金P135)

サンタフェに近づくと、バンタヤンに渡る時にお世話になったポーターのトニーに電話してみた。
彼はかなりのテンションで、待ってる!待ってる!を連呼。ハグナヤの港に着くなり彼は船に飛び乗って私たちを
探し出し、笑顔でバックを運んでくれた。6日ぶりの再会なのに、彼は私たちの顔を覚えている。すごい。


サンタフェ⇒ハグナヤ間30分、この船は速かった

港からのサンタフェビーチクラブは美しかった






  すでにエアコンバスは出発を待っていたようで、トニーに別れの言葉を交わす間もなくバスはハグナヤ港を出発。
バンタヤン島5泊過ごした余韻を残し、帰りのバスではぐっすりと寝てしまった。
セブシティーに入るとノースバスターミナルではなく、シューマートの横で降ろされた。エアコンで少し肌寒かった
体が心地いい。
その日はホテル セサリオに決めた。
部屋は期待していないがP1,500の部屋しか空いてなく、笑顔で粘ったが仕方がなくチェックイン!
明日はどうしようという事になり翌朝7:00起床はきつかった。勢いあまってパングラオ島へ海水浴に行こうと
言う事になり、セブ港へ向かった。なんともバンタヤンでゆっくりしてきたかと思えばアクティブな自分に笑った。

運良くオーシャンジェットはプロモ料金、往復でP400だ。
一年ぶりのタグビラランはいつものように賑やかだった。ボホール島ツアーの客引きをかき分けてモーティカブ
(軽トラック改造ジプニー)のドライバーをさがして交渉した。飲み物など買ってアロナビーチに行きたい!ドライバーは
言葉少なにOKしてくれた。
タグビララン市内のコンビニで買出し、アロナビーチへ向かった。こんなに遠かったかなあ?いや、この車は
古いらしく、エンジン音がうるさくてそんなにスピードが出ないのだ。ゆっくり行っていいよ、急いでないから。
二軒ほど安いリゾートを覗いたが、満室だった。
三軒目のロストホライズンビーチリゾートが空いていた。
エコノミーはP1,600、オフシーズンだから15%OFFのP1,360にしてくれた。というか、交渉しなくても
この料金だ。部屋はシングルベット×2、ケーブルテレビと冷蔵庫付き、きれいな部屋だった。しかし、トイレと
シャワールームは共同。でもストレスは感じなかった。
リゾート前のビーチはきれいではなかったが、雰囲気はいい。バンタヤンより賑やかなビーチだった。
食事は以前利用した事がある青空レストラン?、健在だった。でも料理が出てくるまで時間がかかるんだこれが。
吊るしてあったバナナをかじって待つ。どの料理も安くて安心だった。


ロストホライズンビーチリゾート

スタンダードルーム棟

一時間くらいビーチで波とたわむれたあと、部屋でテレビを観ているうちに寝てしまった。
翌朝は同じレストランでのんびりと朝食、いよいよ明日は帰らなければと思うと反作用が働く。
このままここに住んでしまいたいと思う悪い癖。






 旅の締めくくりはゴトSUN掲示板の常連さん、Alexandraさん情報で豪華なホテルのプロモ利用。
セブ港からマクタン空港前のウォータフロント・エアポート&カジノ・マクタンホテルに向かった。
なんと降り立ったときのいでたちは、自分でも気が引けた。
顔は日焼けの短パンにビーチサンダル。場違いの恰好でレセプションへ向かったが、フロントマンの対応は
嫌な顔もせず申し訳ないくらい丁寧だった。
プロモ料金「STAY & FLY Seven to seven」(19:00−7:00利用)を飛び込みで挑戦。
Alexandraさんには申し訳ないですが、半信半疑の込み込みでP1,322!が実現。

チェックインまで時間があったので、カジノへ行ってみた。まさかビーチサンダルで、、、と思ったが、笑顔で
入れてくれ、これまた驚いた。カジノの中は生バンド演奏が流れていてちょっとびっくり!

部屋は地上階のプールの前のスタンダードルーム。といってもきれいな部屋。
いよいよPR434で帰国の日、早朝にもかかわらずボーイさんが目の前の空港までワゴン車で送ってくれ、
プロモ料金に何とも過剰なありがたいサービス。
無事帰国の途へ・・・・・・・


バンタヤン島へ導いてくださいましたゴトSUNに感謝申し上げます。
料金はすべて、昨年8月現在ですので、ご了承下さい。





■宿泊料金明細
・ニッケイガーデン(マンダウエ市) ・・・・・・・・・・・・・・ P 1,110
・ブジョンビーチリゾート(バンタヤン島)5泊 ・・・・・・・・ P 5,000
・ホテルセサリオ(マクタン島) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 1,500
・ロストホライズンビーチリゾート(パングラオ島) ・・・・ P 1,360
・ウオーターフロント マクタン(マクタン島) ・・・・・・・・ P 1,322
P 10,292



■旅の参考情報
・ ゴトSUNのセブ島旅行情報 HP
・ A solitary traveler.  yuki-naさんのHP
・ ロンリープラネット社刊  Philippines




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