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セブ島最前線


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3度目のセブは、ハイシーズンの4月となった。
宿泊ホテルは『Shangrila's Mactan Iland Resort』。過去2回利用しているPlantation Bay(PB)と並び、マクタン島で最高級といわれている。今回の夫婦二人の旅行記では『ゴトSUNのセブ島旅行情報』でのリクエストに答えるべく、PBとのShangrilaの比較を意図的に盛り込む。どちらを選択するかは読者のご判断におまかせします。
実は出発から不安要素が二つあった。
一つは嫁さんの体調。鼻かぜをひいている。ダイビングには致命傷になりかねない。
もう一つは持病の痛風発作。3年ほど何事もなかった右足親指が出発前日から痛み出す。


                        2002年4月18日〜4月21日   CAN











2002年4月18日(木)
成田からマクタン直行PR433の時間に合わせ、12時半頃に代理店カウンターにチケットを受け取りに行く。
『本日のこのツアーはお客様だけです。現地で必ずツアーバッジ付けて下さい』
『ということは飛行機もすいていますか?』
『いえ、満員です』
搭乗して驚いた。これほど満員の便は初めてだ。エアバスが飛びたてるのか心配になるくらい。離陸は予定時間どおり。この日から開業した新滑走路・・・ではなかった。
機内食にも変化があった。以前はシーフードカレーだった魚料理は『うなぎ蒲焼』に。

味はまあまあ。超満員のためか、いつものおつまみナッツも配られなかった。
機内上映はわけのわからないコメディで見る気がせず読書。スーティーブン・ホーン『確信犯』。宮部みゆきのベストセラー小説を意識しすぎた題名だな。海外旅行用に上下巻の長編ということで購入した。嫁さんは『ファイナンシャルプランナ(FP)』の試験勉強。
それにしても足が痛い。昨日よりさらに悪化している気がする。不安だ。
ありゃ?二本目の上映が始まったぞ?レッドフォード主演の『THE LAST CASTLE』。盛り上がってきたところでヘッドフォンの回収である。おいおいそりゃないぜよ。
晴天のセブシティ上空をアプローチするのは初めてだ。宝石をちりばめたような夜景が眼下に広がる。素晴らしい眺め。嫁さんも感動しているようだ。比べてマクタン側の灯りは露骨に少なく寂しいものであった。
空港で迎えてくれたのはおばちゃんガイドさん。両替とコンビ二立ち寄りをお願いする。
エアポート通りからナショナルハイウェイに右折。我々が初めて空港の北側に向かう道は、舗装されていて快適だ。でこぼこのマリゴンドン地区とはかなり違う。
N電機、T誘電と日系企業の工場地区を抜けたあたりで、両替商とサリサリストアに到着。1万円が3800P。空港よりも50P多い。この両替商はカタカナで『ブラックマーケット』と書いた札をぶら下げてあった。意味をわかっているのだろうか?隣のストアでビール、タンデュアイ、マンゴジュースと一度食べてみたかった『OISHI』を購入。
ラプラプ記念像広場を過ぎてシャングリラのゲートへ入る。ホテルの敷地はそうとう広い。なかなかレセプションに到達しない。
ロビーフロアも豪華で広い。さすがに国際的リゾートである。生バンドが演奏しており、その演奏も素晴らしい。(だってPBのバンドって下手なんだもん)
ガイドさんと出発日の待ち合わせ時間を打ち合わせて別れる。部屋はMainWing5階ベイビュー。広さ・インテリアはまあまあ。可もなく不可もなくという感じ。ただ、テラスに出る窓が堅くてなかなか開かない。テラス自体も狭い。バスルームもPBの方が良いと嫁さんと意見が一致。PBはシャワー室が間仕切りで独立していて使い勝手が良かった。ここは普通のシティホテルを広くしただけという感想。アメニティはPBと同様である。
事前にe-mailで予約してあったダイビングだが、二人の体調を考えて一日先送りに決める。この時間(午後8時過ぎ)でも電話で予約変更を受け付けてくれた。
夕食はCowrie Cove。海辺のシーフードレストランである。
広大なホテルの庭ではトカゲの合唱だ。痛風の身に海辺までは少々遠い。予約していかなくても海の見える席に通してくれた。レストランの仄かな灯りで海の底まで見える。透明度が高いのだ。沖にはバンカボートが揺らめいていた。海風に吹かれて気分は上々。
最初オーダーシステムが判らず、結局二人とも同じシーフードBBQを注文してしまった。どうせだったら別々のものにすればよかったと後で気付いた。
取り放題のサラダバーも種類が豊富。新鮮な魚介類マリネもある。その他スープ、ライスが運ばれてきて、最後に大皿のBBQ。量が半端じゃない。ソースが3種類あり、なかなか美味しかった・・・が、量が多すて結局残してしまった。デザートも食べきれない。
・・・これが一人前1350Pは高いか安いか?
アコースティックバンドが各テーブルを回って演奏している。男女のヴォーカルはとても上手く、特に男性ヴォーカルは『アナク』(知ってるかな?)がはまっていた。リクエストを求められ、CCR『Have You Ever Seen The Rain?』をお願いする。なかなか聞かせる。しかしなぁ、チップを強要するのはいかがなものか?演奏後の『おかねー』に白ける。
部屋に戻るが足の痛みは引かない。嫁さんは風邪薬が効いたか高いびきである。
『痛風を押しての海外は無理だったかなぁ』『なんでこんなことに・・・』と暗い気持ちになる。ほとんど眠れず。読書もすすまない。はぁ。



















4月19日(木)
7時起床。曇っているがテラスからセブ本島が見える。足の痛み変わらず。寝ている嫁さんを尻目に、ビーチに降りる。客はいない。手入れが行き届き、白砂はとてもきれいだ。
意を決してシュノーケリングで海に入ってみる(もちろんフィンは履けない)。歩きよりは痛みを感じない。風が強いせいか、海の透明度はあまりよくない。しかし、遠浅の砂浜が岩場に変わるあたりで、バラクーダの群れと遭遇。こんな近くまで回遊してくるのだ。
10分くらいで上がり、タオルを借りて今度はビーチサイドプールに。ここも客はほとんどいない。気持ちよく泳ぐ。

8時に部屋に戻り、嫁をたたき起こす。本日は予定変更でSMへ。初めてのセブ本島である。電話でシャトルバス11:30発を予約、クラブハウスサンドと嫁さんのアイスコーヒーをルームサービスに頼む。なかなか美味しい。ポテトフライが山盛りだ。PBもそうだったが、欧米人を基準としているのか?マックのLサイズ二つ分くらいの量がある。嫁さんが風呂に入っている間(2時間かかる)、俺は読書。それにしても足の痛みが引かない。
二人で早めに部屋を出てホテルを散策。庭は非常に手入れが行き届いており、行き違うスタッフの応対もフレンドリーだ。雲が晴れて日差しが強くなってきた。

ロビーの土産物屋もいくつか覗く。PBに比べて高級品が多く、応じて値段も高い。
11:25分、ロビーのバス乗り場へ。日本人の乗客は我々だけ。現地の人でいっぱいである。そこで気が付いたのがこのホテル、日本人宿泊客が少ない。現地のお金持ち風家族と欧米人が多い。満員だったPALの日本人たち、一体どこに泊まっているのだろうか?
車はMEPZから第二大橋へ。『あ、あれがフィリピンドリームホテルだよ!』と嫁さんに教える。セブ島側に畑のような区画が見えてくる。塩田のようだがよくわからない。
セブシティに近づくにつれ、マクタンに比べて都会なので驚く。トライシクルやジプニーに代わり、普通乗用車が増えてくる。クラクションも少ない。今にも倒れそうな移動観覧車を過ぎて、精密機械プラントのような箱型の建物が見えてきた。これがSMであった。
まず昼飯!とキャッシャーで『フードコートはどこか?』と聞くと『分からない』『グランドフロア−ではないか?』などと曖昧な答えしか返ってこない。案内板もない。行き当たりばったりにエスカレータを降りると、SMの語源である靴屋フロアだった。ここでワゴンセールのアクアシューズを発見!現地ガイドが履いていて、欲しくて探していたのだ。海の中で足の保護をしてくれて、フルフットフィンをそのまま履ける。130P弱。安い!
2階にレストラン街を見つけた。端から見て回る。日本では宅配のみのピザチェーンもここではレストラン営業をしている。結局中華料理をプレートで出している『TAIPAN』という店へ入る。お互い70Pの皿と飲み物を注文。味はまあまあだが、ウーロン茶がやけに酸っぱい。チェックの仕方が分からず、他のお客さんが支払うのをじっと観察する。

その後は狂った蜂のキャラクタが楽しい『ジョリビー』へ。『レギュラーヤムwithチーズ』を一つ注文、嫁さんと二人で食べる。確かにマヨネーズが甘い。バンズも懐かしの自動販売機バーガーに近い。しかし30Pだもんな。とにかく食べられたのが嬉しい。
他にもレチョンやらなにやら食べたいものがあったが、足が痛んできた。家族への土産のみ買いあさり撤収することにする。ここでみなさんに警告。トイレである。絶対数が少なく、えらい込んでいるのは仕方がない。紙がないのも許すとして、出したものが流れないのは何故だ?何度やっても流れないぞ。嫁は『並んでいて何度も横入りされた!』と怒っている。日本人観光客の皆さんは気をつけてください・・・って、気をつけようがないか。

バスでホテルに戻ったのが午後4時。前日寝てないのと歩き回った疲れで、二人そろって2時間ほど熟睡した。気が付いたら夕飯のお時間。本日はアジア料理Asiaticaに行く。念願だったシニガンラプラプを注文。噂どおり美味しい。酸味はトムヤムクンに似ているがはるかにマイルドでこくがある。ラプラプ自体も美味。皮付きの白身のほかに頭が丸ごとはいっており、これも分解してしゃぶり尽くす。その他ミー・ゴレンや野菜のココナッツミルク煮等も美味しかった。しかしどの料理も量が多い。二人なら3品くらいで充分でしょう。食べきれずに残してしまったことを反省。ぶらぶらと部屋に戻る。
嫁さんは風呂。サービスに電話して氷を持ってきてもらい、足を冷やしながらひたすら読書。本日はアルコールを一滴も飲んでいない。が、12時頃には眠ってしまった。




















4月20日(土)
7時に起床。少し曇っている。嫁さんが風呂に入っている間、昨日同様にビーチ、プールとまわってGarden Patioで一人朝食。ビュッフェを断り(高い)、アラカルトであてずっぽうに注文したのが、ナン(インドのパン)のサンドイッチ風のもの。美味しいが脂っこい、しかも大変な量なのだ。そして『これでもか!』と山盛りポテトフライ。体から脂が噴出する気がする。今の俺は火気厳禁だ。絶対に燃え上がるぞ、などと思いつつ食す。

日が差してきて絶好のダイビング日和となった。嫁さんと9時にScotty's Dive Centreへ行く。ここは『地球の潜り方』(ダイヤモンド社)持参するとダイビングフィーが10%オフです。もちろん我々も持っていきました。
まだ足が痛んでいるが、なんとかアクアシューズとフィンを履く。動かさなければさほど痛くない。もちろん動かさないわけにはいかないのだけれど。
1本目は前回嫁さんのOW実習を行ったヒルトゥガン島。一緒に潜るお客はビサヤ語が話せる日本人男性(あとで奥さんがボホール出身と聞いた)とホテルスタッフの日本人女性を含む総勢6名。現地のおばちゃんダイブマスタと日本人リッキーさんの2名がガイド。
バンカボートで出発。おお、PBの『釣り舟』と違って揺れない。海はボートから見ていても透明度は高い。マクタンのリゾート地帯を横目に30分程で到着。
ハイシーズンで天気も良い所為か、ポイントはボートでいっぱいだ。シュノーケリング客も多い。船の舳先に横座りし、スタッフにつき落としてもらうシッティングエントリーで海へ。バックロールより恐怖感は少ない。潜行開始すると餌に釣られてツバメウオが寄ってくる。オヤビッチャも多い。前回より遥かに透明度が良いようだ。鼻かぜが心配だった嫁さんも、問題なく耳抜きできたようだ。リッキーさんに付き添われて潜っていく。

ここで初めてカメラに電源を入れる。どうしてもデジカメはシャッターが落ちるのが一瞬遅い。ま、プロじゃねーんだからどうでもいいや!とバシバシ撮る。ビサヤさん(お名前を聞きそびれたので勝手に命名)はベテランらしく、潜る姿が一番絵になる。
それにしてもこのポイントは混みあっている。安全停止から浮上するとき、シュノーケリングの親子連れとぶつかった。エキジットはボートの梯子を使う。ロープにつかまり、次々器材をスタッフに渡して身軽になってから梯子を登る。割と楽だ。足への負担も少ない。
帰路は海岸に近いコースを船は進む。PBのビーチやマリバゴの茅葺小屋もくっきり見える。2本目は13時集合ということで、下船後はそのままGarden Patioであわただしく昼食。何も考えずに注文したら揚げ物セットになってしまった。ああまた脂だ、今の俺は絶対燃えるよ。海水もはじくかも知れない。

2本目の客は我々夫婦とビサヤさんの3名だけ。タンブリ・フィッシュ・フィーディングへ。ボートは5分ほどでポイント到着。潜行するといきなり沈飛行機に出会える。オヤビッチャ等の魚影が濃い。ちなみにここはゆるい流れのドリフト。ほとんどフィンを使わずに済む。足の痛みに耐えている身にはありがたい。
だんだん水中カメラのコツが分かってきた。結局は出来るだけ被写体に寄ること、ぶれないように注意すること。動く相手はおおまかに流し撮りするしかない。
嫁さんとおばちゃんガイドがペアとなり、リッキーさんと他2名がトリオで進むが、途中でビサヤさんが見えなくなる。慌ててリッキーさんが捜索へ向かう。3分ほどで無事現れた。安全停止中にウニをまじまじと観察する。いくつか種類があるのに気づく。どれが美味しいのだろうか?ビーチにびん詰めを売りにくるというのはどの種類だろう?
エキジット。なんとか足はもった。嫁さんも満足そうである。
ここのサービスのシャワーはお湯が豊富に出るのが嬉しい。脱衣所とトイレも完備している。レンタル器材も新しく使いやすかったと嫁さんの談。しかしログ付け等はない。器材は洗って乾しておいてくれるとのことで、一度部屋に戻ることにした。
嫁さんは風呂。こちらは読書のつもりが眠ってしまう。目覚めたのは5時過ぎ。器材を引き取りに行かないと・・・。この場合、部屋とサービスが離れているのはちょっと不便だ。

夕食は二人で検討した結果、Garden Patioにする。インターナショナルなので選択の幅が広いのである。タンデュアイラムの水割りを持ち込む。前菜にサーモンのマリネ。俺はラプラプの切り身ソテー、嫁さんはレチョンを頼む。ところがこのレチョン料理、なぜか脂で揚げてある。豚の脂身を揚げたものもついてくる。Garden Patioは脂攻めなのである。
焼いたラプラプも美味しかった。調べるとラプラプという魚は黒いのと赤いのがあるということだが、昨晩のシニガンも今晩も赤い魚だった。付け合せのライスはぱさぱさの外米(というのも変だが)。焼き魚には日本の米のほうが合うななどと思う。
お腹いっぱいとなって部屋に戻る。目覚ましをセットして、器材を詰め込み始める。今回は体調不良が幸いし、お土産があまりない。トランクもすんなり閉まった。
ラムの水割りを飲みながら読書。上巻読了、下巻へ・・・いつの間にか寝入ってしまった。



















4月21日(日)
帰りは前回同様の直行便である。ところが目覚めたのは5時過ぎ。寝過ごしている!
俺はいいとして、女性は用意に時間がかかるので焦る。なんとか5:35分にロビーに降りて清算。うーん、やっぱりPBに比べて割高かな。おばちゃんガイドが見つけてくれて、ピックアップ。シャングリラは空港に近いのがいい。10分しかかからない。
足を引きずっている俺を気遣ってか、ガイドさんは空港で有料ポーターに荷物を預けてしまった。50P渡してくれと言われていたが、コヤツ『50Pじゃ可哀想ヨ』などと言い出す。足も痛いしめんどうくさくなってもう100P渡す。この観光客をなめた要求も、ハイシーズンならではなのだろう。今度からは絶対に荷物を触らせない!と心に誓う。
チェックイン、空港税、出国審査等は既に三回目。難なく通り抜ける。ダイビングフィー割引分を両替したペソが余っていたので、初めて国際線待合室の喫茶店に入る。驚いた。成田空港と変わらない物価だ。コーヒーとサンドイッチのセットが450Pだと?それにもまして驚くのは日本人の金持ちぶり。こんなバカ高いところに疑いもせず入ってきてウドンやらヤキソバやら大声の日本語で注文しまくる。その上、禁煙席で灰皿を要求する。集団になると『旅の恥はかき捨て』心理が働くのか?これもハイシーズンならではの光景なのだろうなぁ。自分が日本人であることは棚において、少々気分が悪くなる。
第3ターミナルでは余り待たされずに機上の人となった。帰路のPR434も満員である。運良く頼んであったエコノミー最前列の席だった。今回は海側を見ながらの離陸である。
シャングリラとヒルトンが見えてきた。体調が充分でなく、心残りが多い旅となったのが悔やまれる。次回こそ本物のレチョンとバッチョイを食べるぞ。SMでもっとマニアックな買い物をするぞ。いや、次回こそジプニーやトライシクルに挑戦しよう!
ホテルはどこにしようかなぁ・・・?

おわり



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