セブ島最前線〜

   
                              全8話 長編

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「関空へ行かなくちゃ」


 2005/03/21 関空[晴れ] マニラ-セブ[晴れ]


妻が目覚まし時計をセットしている事とばかり思って居たけど、何気なく目が覚めたので時計を見たら午前
2時50分だった、「もう直ぐ3時に成るよ!」って声をかけたら、「え〜、3時10分に目覚まし掛けてある」っ
て言うそっけない返事。
「なんで!3時には出発するって言ったじゃん」って語気を強めたら、「3時半に出発って言ったでしょ!」倍
に成って返って来た。遅くても3時半に出発って言ったのに、どこで間違ったんだ。


大急ぎで準備して家を出たのは3時18分頃だったから、まぁ良いっか・・
岐阜県の関市から関空までどうやってどの道を通って行くかを先日からず〜〜〜〜っと考えていたけど、一
番通行料金が安く済む道路を選択した、以前に仕事で大阪の堺までは頻繁に通って居たので、大体の
時間は読めるつもりだった・・・・この時は。


未明の道路は信号も睡眠中で車も少なく、かなりのペースで走っていける。
ちょっと予定の時間より早い気がするけど、間に合わないと洒落になら無いし、途中で事故渋滞にでも掴ま
ったらって考えるとなかなかアクセルを緩められない。


国道25線は勾配がきつかったお陰で高速道路に成れなかったと言うだけの道路で、三重県の亀山市か
ら奈良県の天理市までの約80kmの間信号機も無いし、交差点は全て立体交差に成っていると言う素
晴らしい道路、なんせ無料なんですから。
先を急ぎすぎたお陰で、関空が近づいて来て「もう大丈夫」って所では40分のマージンが出来ちゃった、お
陰ですごくゆっくり朝ごはんを食べる時間が取れほっと一息。


空港対岸の駐車場に車を預け空港入り口まで送ってもらうが、余裕の待ち時間に全く急ぐ事は無いのが
有り難いやら悲しいやら。
航空会社のカウンターはまだ開いておらず、列に並んで暫くするとやっと受付開始。
ここで前の人が飛行機のチケットを手にして居るのが気に成ったが、そんな事はどうでも良いやと放って置い
たら、係員がチケットが無いと並んじゃ駄目って言いやがった。
数年ぶりの海外旅行で、前に行ったときも要領を得ていない私はチェックインに航空券が必用な事さへ知ら
なかった・・恥ずかしいぞ〜。
急いで旅行会社のカウンターでチケットを受け取って来て、チェックインカウンターで差し出すと今度はOkay!
機内に預け入れるトランクは事前に重量を計っていたので、何の不安も無く通過!3人で60kgまでOKな
のが、3人の3個のトランクで58kg弱。勝ち誇ったように鼻の穴を膨らませるので有った。


税関を通過するとそこは治外法権地帯らしいので、時間の余裕の有る私たちは、暫く”日本国”でくつろい
で居る事にした。
コーヒー飲んだりトイレ行ったり、タバコを吸いに外へ出たりと、日本国
じゃ無いと出来ない事を済ませておいた?


マニラ空港でセブ行きに飛行機乗り換えて、関空で預けた荷物はセブへ直行だからマニラ空港では受け取る
必要が無くてってちゃんと覚えてるけど・・・・。
 
 
 ↑ 関空でこれから登場するエアバス
 


おおよそ3時間ちょっとの時間でマニラ空港着。
ここが問題です、乗換えなんかした事が無いし、マニラは15年前に1回来た事は有るが、その時は知り合い
に全てお任せの「付いて回り」だったし、おまけに以前の建物で今回とはまるで状況が違うわけ。


このときに分かっていたのは、既に時計の針が「時差」で1時間遅く
成っていたって事だけ。


事前にwebで検索し「サルにも分かる乗り換えの仕方」で詳しく調べて於いたから不安は無かったが、が、
が。
話が違うぞ〜〜〜〜〜!!
webでは飛行機から直接建物2Fへ突入するはずなのに、タラップを降ろされた先にはバスが待っているじゃな
いか、おぃおぃ俺を何処へ連れて行くつもりなんじゃろ〜?
ここで駄々をこねて、勝手に目的の建物2Fを目指したら、遠くに見えるあの自動小銃の的に成るのは間違
い無さそうだし、マニラで撃たれたら
生命保険は出ないかもしれないので、バスに乗って見知らぬ世界へ連れて行かれることにする。


しかし「サルにも分かる乗り換えの仕方」は全く役に立たなくなった訳で、パスポートとエアーチケットを持って
キョロキョロしながら
歩いていると、そんな事には慣れっこの?もう見飽きたであろうマニラ空港職員が手で行き先を示して案内し
てくれる。
え?言葉は発しないのって?そうなんです手で指し示すだけなんです。言われても理解できない私と、多分
日本が苦手なフィリピン人のコミニュケーションは、ボディーランゲージしか無い事はお互いが無言のうちに理
解しているのであろう!と言うのは私の考えで、相手は単に面倒くさい
だけって言うのが真相に違いない。


乗り換えの時間は十分有るが、それが足りないかも知れない悲しい状況に、くつろぐ余裕も無くあっちうろうろ
こっちうろうろ・・
そうなんです、トイレに行っている間に前を行く関空からの日本人は何処かへ消えてしまったのです。
3歳児ともまともに会話が出来ない英語会話力に初めは言葉を発するのを躊躇っていたが、何も始まらない
ので、「I want to go to Sebu」を 繰り返し発し相手の「%#=$*@/*\☆§*#%¢$∞∴♀≠
‡‰%$#」は無視してその手の指し示す方向をひたすら目指す。


そうしたらやっと「サルにも分かる乗り換えの仕方」の途中の部分に当たる所までやってきた。


テキストに従って進んでいくと、飛行機で乗り合わせていたジャパニーズを発見、これで安心して乗り継ぎを
待つ事が出来る。
妻と息子は私よりももっと分からない状況なので、ここマニラ空港で夫で有り父でも有る私が不安な顔を見
せるわけには行かないので有る!
って不安は完全に顔に出てるに決まっているけど。
犬がやるポーカーゲームと一緒!、顔色は変わらないけど良いカードが来ると尻尾がプルプル振っちゃってバ
レバレなのとなんら変わらない!


マクタン-セブ空港に着くと、現地係員が案内してくれるので、なんの不安も無く「パシフィック セブ リゾー
ト ホテル」へ着いた。


ミールクーポンで夕食を食べにレストランへ行くと、ウェイターが席まで案内してくれ、「バーベキュー *?◎
☆§○#£∞♂℃%$」と言うので待っている
つもりが、妻はカウンター前に有る「バイキング料理」を取りに行くと言い出す。
あれ?さっきの言葉の中にかすかに「weit」って聞こえたような気がしてなら無いが、違った?? まるで
理解できない悲しさがいきなり飛び出してきた。
妻と息子は大喜びで皿を手にして料理を盛り付けているが、私は席で待っていた、2人が席に帰るのを
待ってから、今度は私が料理を取りに行く。
この時まだあの「weit」が引っかかっていたが、料理を一掴みする頃にはすっかり 忘れていた、「チキンヘ
ッド」って良く言われるしな〜。
 
 ↑ パシフィックセブリゾートのレストラン


席に帰ると妻と息子が不安そうな目で何かを訴えて居る。
なんか有ったのかと思いながら椅子に腰を下ろすと、「私たちはバーベキューなんだって、だからバイキン
グ料理は取ってきたら駄目なんやって」ってのたまう。
おぃおぃだからさっき言ったでしょう。
しかし、ウェイターのお兄ちゃんは両方を食べてもOkayって言ったらしい。
「神様、どうかチェックアウトで料金が精算されません様に」と願う私でした。


この夕食で飲んだ「サンミゲルビール」が110ペソだった。


期待していなかった通り、ちゃんと人肌温度のシャワーを浴びてやっと一日が終わった。


たしか現地時間でPM9時頃だった様に記憶しているんですが、チキン・・・だから、


定かじゃないのが悔しい。

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